電磁テンプ式、オールドの魅力
こんにちは、まちっくです。
トキチケさんのブログで、シチズンX8に関して気になったのでちょっとググってみました。
↑ちょっとカッコよいと思いませんか?
正直、電磁テンプ式は時代の徒花であるとの評価が多いです。私も素直にそう思います。自動巻き全盛期の当時、腕につけてさえいれば動き続ける、電池交換の要らない時計をわざわざ電池式にしてしまう。当時のメリットは「止まったゼンマイを巻きなおさなくてよい(1年で要電池交換)しかありません。精度は機械式と同じ、なぜこんなものを作ったのか。。。と理解に苦しみます。
↓セイコー、エルニクス
←ネット画像
そして、
↓シチズン、コスモトロン
←ネット画像
※ちなみに後述しますが、この電磁テンプ式、現代のオールドファンには嬉しい魅力が存在します。
昔を知る方々に聞いたことがあるのですが、発売当時は機械式に代わる電池式の時計を開発しようとする世情があったようです。まあ実際に、ブローバアキュトロンに代表される音叉時計も開発されましたし、それに取って代わる圧倒的な精度を誇るクォーツ式が革命を起こしましたが。。。なんか無理やり「電池式がカッコ良いの!」という空気があったのではないかと思います。ちなみに1970年代のクォーツ時計の売り文句が
「あなたは1秒をみたことがありますか」だったのは驚きです。私はステップ運針が好きではないのですが、昔はステップ運針こそステータスだったようです(ちなみに電子テンプ時計はステップしません、だってテンプ式ですから)。
さて、もしも今が1970年代だったら。。。私はおそらくこの電磁テンプ式には見向きもしないだろうことは明白です。手巻き(価格・巻き味・薄さ)・自動巻き(価格・トルク・バリエーションなど)・クォーツ(圧倒的精度)、それぞれ得手不得手がありますが、電磁式はどのステータスでも一番にはなれません。
しかし!2020年現在!オールドファンなら電磁式に着目すべきなのです。
電磁式メリット①内外装に比してコスパが抜群!
エルニクスの多くは外装が自動巻きLMやKSバナックなみの質感をもったものが多く存在します。コスモトロンも同じです。シチズン自動巻き全盛期の高級品と同レベルの外装を持ったものが多く存在します。そ・し・て、中古市場において、程度の良いもの同士で比べると、お値段がなんと、
エルニクスの美品<<LM・バナックの美品
コスモトロンの美品<<クリスタル7やカトラスの美品
大多数の中古品で、この不等号が成り立つのです!
特筆すべきはクロノマスターです。
クロノマスターX8<<機械式クロノマスター
の傾向がはっきりしています!
これは嬉しい。。。クロノマスターの銘があって、外装・内装共に高品質、しかも個性的、クロノメーター表記までついてくる。。。。
正直、GSやKS、機械式クロノマスターは希少性が無いわりに高価です。おそらく「クロノマスター」と冠したものの中で、X8が最もお買い得なのではないでしょうか。
電磁式メリット②電池式なのにスイープ運針
クォーツのステップ運針が嫌いな人には朗報ではないでしょうか?かくいう私も実はステップ運針が好きではありません。私は「1秒は見えなくて良い」人なので。。。むしろ耳に近づけた時の6ビートや8ビート、10ビートのテンプ音を聞いてニヤニヤするのが好きです(家内いわく「とんだ変態だわ」と。。。)。
実は現行品でスイープ運針で電池式だとシチズン傘下のブローバブランドしか私は知りません。アキュトロンⅡは一度所有しましたがちょっと大きすぎる外径と、質感のしょぼさで手放しました。(あとはGSのスプリングドライブですが、これは電池式と呼ぶべきではない気がします。)
ちなみに1990年代にセイコーが5Sムーヴというスイープ運針のクォーツを出してましたが今は廃番です。しかもこの5Sムーブには薄型のドレスよりのものしかありません、バリエーションが少ないです。コスモトロンやエルニクスの豊富な外装バリエーションとは比べようもありません。
そして、有名な音叉式、初代アキュトロンの機構です。これも電磁テンプ式と同じくロマンがありますが、いかんせん高価なのです。。。やはり値段的に電磁テンプに軍配が上がります。
さあ、いかがでしょうか?電磁テンプ式オールド時計、まだ一つも持ってませんが、夢が膨らみます。みなさんは電池式のスイープ運針モデル、おもちでしょうか?